JP_Stripes Vol. 2に行ってきた

Posted on May 20, 2017 03:53

ブログに書くまでが勉強会ですよ、と昔ある人は言いました。ということで、

JP_Stripes (Stripe ユーザーグループ) Vol. 2 -- ダッシュボードについて語ろう

http://eventregist.com/e/JP_Stripes_vol2

に行ってきたので、その感想などをしたためてみます。

幸か不幸かWi-Fiにうまく接続できなかったため、Macのメモに書きためていたので、それとともに振り返ってみます。

普段はメモは見たい映画を記録しておくのにしか使っておらず、映画のタイトルと上映時間を列挙して見終わったら消す、という使い方をしているのですが、なかなかグラディエーター(上映時間:2時間34分)が消えません。既にiTunesでレンタルはしているものの、レンタル期限があと10日を切ってしまっています。2時間を超える映画は見るのに時間がかかりますよね。(2時間半かかるから・・・)

なお、一番最初にビールで乾杯をしておりますので、内容に誤りなどありましたらご容赦ください。ちょいちょい個人の感想(SaasサービスでSubscriptionベースでStripeを使っている視点)が入っておりますが、なんとなく雰囲気でどこからが個人の感想か読み解いていただけると幸いです。

当日のハッシュタグは「#JP_Stripes」なのでそちらも合わせて見るといいかと思います。

Stripe最新アップデート

自己紹介などがあり、まずはStripeの最新アップデート内容が紹介されました。

Atlasの紹介
これはアメリカのデラウェア州で法人登記が出来てしまう、というサービスになります。サービスを海外展開していく上で現地法人が欲しい、というケースとかに使えるようです。

最近新しいサービスを考えていて、銀行振込まわりのサービスを調べるためにStripeのサイトを見ていてAtlasを見つけたとき、なんだこのアグレッシブなサービスは、と思っていたのですが、まあすごいですよね。そのうち(法人登記)やってみた的なエントリーがクラスメソッドさんとかどこかのブログに出てくるかと思います。

INDIEHACKERS/incrementの紹介
最近はメディア系の活動に力を入れている様子。INDIEHACKERSの方はアントレプレナー、スタートアップとかのサービスが載っているメディア、incrementの方は4半期に1回のメディアで第1回は障害時の対応やふりかえりのインタビューなどが載っているみたいです。

https://www.indiehackers.com/businesses

https://www.indiehackers.com/

https://increment.com/

https://increment.com/

webhook signatures
webhookが本当にstripeから送られてきているのかチェックできる感じのようです。

DashboardへのNew Role
今までの権限に加えて、返金ができる、などアカウントの権限の種類が増えたようです。

今のところStripeのダッシュボードはそこまで積極的に使ってなくて、変な操作をしてしまわないように閲覧権限だけのアカウントで確認、返金処理が発生した場合のみ管理者権限でアクセス、という運用でやってますが、返金処理するために管理者権限でアクセスは権限強すぎだろ、という不安がある、といった問題を解決するために更に細かくRoleが設定できるみたいですね。

「SaaS開発の裏側 - Shifterローンチまでの119日(Payment & Dashboard開発編) 」 (Digital Cube)

119日間(4ヶ月!)で開発したWPサイトを静的に配信するサービスのPayment & Dashboardまわりのはなし。

パブリッシュの流れとしては以下のような感じらしいです。

DockerでWPを立ち上げて記事を書く→静的ファイルに書き出し→CDNで配信

キャンペーンサイトなど更新頻度がそこまで高くなく、一時的な高アクセスに耐えられる環境を用意しておきたい、といったケースにいいようです。

StripeはNode.jsで利用。StripeのいいところとしてはSubscriptionの日割り計算があらかじめ用意されているところ。

課金まわりを2週間で実装したそうです。(すごい!)

StripeはPlanやSubscription、Chargeのデータ構造がしっかりしていて、Metadataも設定しておけるので、自分たちで開発しないといけない部分を減らせて、この期間でできるんだろうなと思いました。

Webpayとかの場合はChargeはいつ、誰が、いくら支払ったみたいなデータしか無いので、果たしてその支払いが何に対してなのか(例えばSaasサービスの場合だと月額利用料の何月分に対する支払いか)、みたいなのを自前の支払履歴レコードみたいなところとつき合わせる必要があって、自分たちでそのへんのデータを持つ必要が出てきてしまうけれど、Stripeを使った場合だと課金まわりのデータは全てStripe側に持たせることができるので楽ですよね。

会員管理にAmazon Cognitoを使っているようです。自分はこのサービス知らなかったので、調べてみたいです。また、Serverless Frameworkをつかっていて、LambdaやDynamo DBなどサーバーレスアーキテクチャで作られているそうです。

dashboardは3回作り直したそうです。

そして、開発時のメリットだけでなく、ビジネス的な側面からみると、理想的なキャッシュフローが実現!とのことです。マジ重要ですね!!!

銀行振込だと末締め翌月末払いとかサイクルが長いですものね。今月はすごいたくさん契約が取れた!(よし、サーバー増強だ!手元にキャッシュ無いけどな!)と思っても実際の入金は少し先なので売上に反映されるまでタイムラグがありますもんね。

「請求管理アプリベンダーMakeLeapsがStripeを選んだ理由」(MakeLeaps)

請求管理アプリベンダーのMakeLeapsでは請求書をメールで送ってそこからStripeを使ってクレジットカード決済できる仕組みを持っているそうです。MakeLeapsを使っているA社がB社に対してメールと郵送で請求書を出す、みたいなケース。

会社名義で請求書、支払は個人のカードでみたいなケースもあるとのこと。僕のまわりでは担当者個人のカードでとりあえず支払っちゃったけど次からは請求書払いで、みたいな話も聞くのでSubscriptionには向かないかもしれないかなあ。おそらく支払いの金額にもよってくるのかな。

Make Leapsを使っているお客さん(上記のA社に該当)にStripeのアカウントを作ってもらっているそうで、システムで全部まかなわなくても日本語のマニュアルを用意するなどオペレーションで対応するのが目からウロコでした。

Stripe Managed Accountの利用は?
責任の所在とか入金の担保等を持つ必要が出てくるので個別にStripeのアカウントを作ってもらってその中での決済で完結させている(LTで話があったんだけど、Payout と Chargeのひも付けは出来ないということなので、そのへんの関連かなと思います)

請求書払い、クレジットカード払いの割合はトントンくらい?みたいでクレカのメリットを説明すると納得してもらえる感じ多いみたい。

ダッシュボード活用について Q&A

20170518 jp stripes_kickoff_final from Hideki Ojima

Stripeのダッシュボード活用についての話。開発者はAPIベースでダッシュボード使わないケースが多いみたい。実際の入金確認とかのバックオフィス担当のメンバーが利用するケースが多いのかな。

StripeはMetadataが持てるので、アカウントIDをもたせたりすることができてひも付けができるのでその辺も活用するとよさそう。(活用するとよさそう、とか書いてますが実際に有効活用してます。)

Saas系のサービスだとサービス側で顧客管理のデータを持っていてそっちをマスターとしてプラン変更などのオペレーションするとStripeのAPIを叩いて反映させる、というケースが多いと思うので、Stripeのダッシュボードから更新系の操作をするとデータの整合性が取れなくなるおそれがあるのであまり使わない、という場合が多いんじゃないかなと思う。Stripeのダッシュボードはあくまで閲覧だけ、という使い方。

KPIの管理とかに活用できないか、という質問が出たが、どうなんだろうなあ。集計とかAPIで提供されていないデータがあれば有効そう。ダッシュボードで今月の入金額とグラフみると、おぉ、この桁までいったか~とニヒヒとは思うけど。

セグメンテーション分けしてそこに対して何らかのアクションを起こす(XXプランの人向けへ新しいサービスの案内etc.)、とかであればintercomとかCRMとかにデータを流してそっちでアクション起こさせるのが使い勝手よさそう。

個人的には今後オリジナルのダッシュボードは不要になっていき(自分たちだけが使うダッシュボードのために開発リソース割くのはもったいない)、Stripeとかintercomとかの組み合わせだけで管理させるようになるとよい未来が待っている気がする。

[Stripe] ConnectのManual Payoutsを利用して 任意のタイミングで売上を入金する

spacemarketの柿木さんのLT

StripeユーザコミュニティでLTをしてきました | スペースマーケットブログ

Connectサービスを利用しているとのこと。銀行振込周りを使ったサービスを考えていたのですごい参考になりました。

Managed Accountを使って売上をスペース提供者の銀行口座に入金(Bank Payouts)している。入金のタイミングについては自動か手動かを設定することができ、サービスの特性上スペース利用後に入金したいため、Manualを採用したとのこと。

Automatic
daily,weekly,monthlyで入金を設定でき、charge.createdのタイミングがフックとなる。

Manual
任意のタイミングでの入金を設定できる。バッチで入金を実行させているのこと。入金に失敗した際のリトライはされないため対応が必要になる。

Managed Account登録のキモ
スペース提供側の銀行口座登録には身分証(ユーザー自身)の登録が必要でFile Upload APIを使ってアップをしてもらっている。

不鮮明な画像などはNGとなるため、こんな画像をアップしてくださいという案内を行う、画像チェックをした上でAPIを叩くなどの処理が必要になる。

Manualとした場合にはPayouts API、Balance APIを使う上での注意点として以下のチェックを行っているとのことです。

  • 対象chargeチェック
  • 残金チェック
  • スペース提供者の銀行口座が作成済かチェック

今のところPayout と Charge のひも付けは出来ないそうです。PayoutのMetadataにChargeのIDを入れる感じになるが、MetadataのMAXが20件なので、20件ずつ分けるなどの対策が必要になるっぽい。

スペースマーケットさんの場合だと1ヶ月でのスペースの利用が20回を超える(Chargeが20回を超える)ことはざらにありそうだなあ。。。Payoutを1日毎に分けちゃえば、とりあえずしのげそうかなと思いました。通帳には「2017年5月20日利用分」みたいなのが31件とか列挙されるけどw

STORES.jpもStripeを使ってたと思うけど、銀行口座登録する時に特に身分証の登録とか求められなかった気がするけど、その辺どうなってるんだろうなあ。。。

Stripeによるビジネスアイデア JP_Stripe #2 by MaP design 渡部 知記

Stripeによるビジネスアイデア JP_Stripe #2 by MaP design 渡部 知記 from Tomonori Watanabe

日本のEC率は小売全体の売上の4.7%しかなく、今までの延長線上ではなく、これまでクレジットカード決済を導入するのが難しかった業種、業態に対してビジネスアイディアを生み出すのが大事、という話。

生み出したサービスをどう売るか? Digital Marketing に任せなよ、ということらしい。

確かにStripeを使うことで課金・決済まわりを全部投げてしまうことができるよなあと感じてます。(特にWebPayから乗り換えをしたのでそのへんを強く感じるのかも。)今から新しいビジネスを考える時にはクレジットカード決済のみ、日割り計算とかは全部Stripeのルールに従います!という設計でいいんじゃないかなと思ってます。(懇親会でstripeの中の人に言ったら、そこは御社のビジネスモデルに合わせていただいてと言われたw)

AWSもクレカ決済だけだけど、銀行振込しかダメなんです、みたいな会社の決済を代行する会社とかもあるみたいなので、クレカ決済だけで割り切っちゃってまあいいんじゃないかなと。

感想

その後は懇親会となりました。

サポートでやり取り(確かベースのプランに追加してオプションプランの利用も定期課金をしたい時に、うまいデータの持ち方をしたいなあと思ってSubscription Itemsかそこらへんがベータ版だったときにこういうのあるから使ってみてね、みたいな話)したことのあるメンバーの方もいて、あの人とあの人Stripeの中の人だ!おおぉと思ってしまった。

課金部分のサービス開発に取り組んでいるエンジニアが会社に1人しかいなくて、他の会社ではどうやっているんだろうという情報交換の場があるといいよね、みたいなことからこういう場ができたみたいですが、

とりあえず楽しかった!という小並感の感想しかありません。

本当に楽しかった!そしていまStripeを使ったサービスを考えているので形になるといいなあ。。。目指せ119日後のリリース!

Stripeというプロダクトに対して愛の溢れる感じ、Saasやっている身としても自分もこんな愛されるサービスとか作ってみたいなあと思いました。

Stripeの中の方々、会場となったニューアーチデザイニングさん(懇親会でぼっちになってたら最初に声かけていただいてまじでうれしかった)本当にありがとうございました!!!


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